2007年 04月 04日

中編 ときにはフェラーリ!そしてF430と512TR!

続き・・・。
M君の512TRが、そんなワケで、僕の手元にあります。

テスタロッサ、512TR、348など・・・・・この独特のサイドラインは、正直なところ、2000年を迎える頃には、とても古臭いものに、僕は感じていました。
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古く感じる前の僕は、このサイドシェル、このサイドデザインが大好きでした。
それが、なんとなくバブル時代の残像を引きずっているように感じて来てしまい、なんとなく古臭く感じて来てしまったというワケです。

でも、最近になって、このデザインがまた大好きになっています。
その理由は、現代の街ゆく沢山のクルマとは一線を別にしているクルマであることを、明白に主張しているデザインに思えるからです。

バブル絶頂期・・・・メルセデスベンツのSLやSLC、SEL、はたまたポルシェ928等など・・・それらの(ワイドボディー化された)ケーニッヒ・スペシャル 仕様などを、街中で見かけることが少なくなってきた現在では、この独特のサイドラインが、僕の眼には、とても新鮮に映ってきたというワケです。
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バブルの象徴的なものは、バブルが過ぎ去った直後には、なんとなく古臭く、既に過去のものとして、捉えられてしまい、それから数年たてば、また新鮮に感じるということを、僕は知らなかったようです。
(好きか嫌いかというよりも、バブルを象徴していたブーメランアンテナ)
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今回、こうしてM君の512TRを預かって、こうして512TRのデザインの隅々をじーっと眺めていると・・・・僕が感じたことは、世の中の風情や、世の評価に惑わされていて・・・自分の考えがない自分というものが・・・・とてつもなく小さな奴だと、改めて認識させられることになりました。
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数年経ったら、どう感じるのだろーかとか、何十年経ったら、どう感じるのだろーかとか、こういうことは、僕のように年を重ねて来て、初めて気付くことなのかも知れないのですが、仮に、もっと若かりし頃に、こんなことを、いつも念頭に入れた試行錯誤をしていれば、今の自分も、もっと違っていたのではないかと、考えさせられました。

若い頃は、付き合っている女の子が、段々と年をとっていく・・・こんな自然界の法則すら想像出来なくて、可愛いくて、スタイルのよい子ばかりに、目がいっていました。
それが、今となって同窓会なんかに出席すると、皆が皆、同じようなスタイルに成っていたりしているので、当時から先見の目がないことは、明らかなことのようです。
これは、多分、女性側も同じように感じているワケで・・・僕は、512TRを預かることによって、ダイエットしようと決心したのでした。
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誰もが知っているようなことを書くことになりますが・・。
512TRというクルマは、僕の大好きな、70年代のクルマの残像を、思い切り、引き摺っているクルマです。

今から23年も前の1984年、512BBの後継車として、登場したのがテスタロッサです。
そのテスタロッサの改良バージョンとして、512TRが続いているワケですが(その後512M)、テスタロッサは、良きにしろ、悪きにしろ、512BBの重心が低くない点や、リアが重たいという重量半分をも受け継いでいるワケで、そのボディー剛性も、70年代のクルマと大差がないワケです。

大雑把に書くのが許されるのならば、512BBの血を引くテスタロッサ、そのテスタロッサのエンジンと、ミッションの搭載位置を数センチだけ下げて、搭載方法を溶接止めに変更したり、パイプフレームの各所に補強を入れて、ボーディー剛性を向上させたクルマが、512TRになるワケです。

僕にとっては、70年代のミッドシップ・フェラーリ12気筒の残像を、思い切り、引き摺っているクルマに思えています。

M君の512TRは、94年式 (TRとしては最終年式) ですので、ABS装着車 (93以前未装備) の18インチ (テスタロッサ16インチ)、428馬力 (テスタロッサ390馬力)、エンジンは、5リッターの12気筒です。

5リッターの12気筒エンジン搭載車なので、512と名付けられているワケですが、308 (3リッター8気筒)、328 (3.2リッター8気筒)、348 (3.4リッター8気筒) というように、こうした判り易い車名だった頃のフェラーリの方が、オジンの僕にとっては、一目瞭然で、とても好都合に思えたりしています。

M君の512TRのナンバープレート (登録ナンバー) は、このように、フェラーリ・512TRという車名を表す・・・『512』・・・です。

今となっては、希望ナンバー制度が,存在しているので、比較的簡単に 『512』 というナンバを付けることが出来ます。

M君が、512TRを購入した当時には、まだ希望ナンバー制度自体が存在していなかったので、この 『512』 というナンバーを取得するのに、とても苦労しています。

その苦労とは、最寄りの陸軍事務所で、512番というナンバーが公布される順番を、交付される窓口で、単に気長に待つだけなのですが、登録される台数も、月によって、日によって違うので、それこそ2~3日は、陸軍事務所の窓口付近に居座り、512番が来る順番を待つという、とても気長な作業を意味しています。

当時は、これを代行する業者さんも存在していました。
相場は5~7万円だったと記憶しています。

それゆえ、時代背景で捉えれば、見分けが簡単に出来るワケで・・・品川33とか、横浜34とか、名古屋34とか・・・こんなふーに、登録所在地 (運輸支局名) のウシロの数字 (分類番号) が2桁の場合で、911や964、348や355などという、ナンバーが付いているクルマを見かけると、僕は妙に感激したりしています。

それは、希望ナンバー制度が開始されてから、交付されているナンバーは、登録所在地 (運輸支局名) のウシロの数字 (分類番号) が、必ず3桁になっているからです。

つまり、『品川330・911』 は希望ナンバーだけれど、『品川34・911』 は苦労して取得したナンバー・・・・こんなふーに簡単に見分けることが可能なワケです。

旧車好きの僕にとっては、その番号が2桁か、3桁かということが、とても気になったりしています。

3桁交付になった後にも、光るナンバーだけは、2桁交付だったので、旧車好きの間では、光るナンバー2桁で交付を受けて、その後、一生懸命に蛍光塗料を剥離して、普通のナンバーに見せるというような、裏技がありました。
(今では、光るナンバープレートも3桁交付になってしまいました)
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クルマのナンバーや、販売店が貼ったステッカーを眺めたりしていると、色々なことが想像出来たりします・・・・クルマ屋さんだったら、初めて来店したお客様の情報を出来る限り知ろうとするワケですが、登録ナンバーで色々と想像しているセールスさんは、想像以上に多いと思っています。
こんな話題は沢山あって尽きないのですが、またしても横道なので止めておきますね!

512TRとは?
こんなことは、間違っても、ド素人の僕には書けません。
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そこで、今回も、僕なりの感じ方だけを書きますので、間違っていることが、多々とありましても、どーぞお許しくださいませ。

70年代の、ミッドシップ12気筒・フェラーリの残像を、思いっきり引きずっている、この512TRに、最新式のフェラーリF430を手に入れたK君が、ステアリングを握ると、どう感じるのでしょうか?
M君も僕も、このことに一番興味があったワケなので、このことから触れてみようと思います。

それには、K君を少なからず、ご紹介した方が判り易いかも知れませんね。
年齢的には、30代前半です。

先日、K君と僕と、『彼女のカレラ』 の麻宮騎亜先生と3人で、食事に行きました。
『Kさんにとって、クルマとはどのようなものですか?』
と、麻宮先生がお聞きしました。
『速さが全てです!』

K君は、RX7でのサーキット走行に、ハマっていたのですが、K君のRX7でのサーキット・タイムが、去年、ついにプロの方々と肩を並べました。
これで、目標を達成したと、今はサーキット走行を止めてしまいました。

今、K君から頼まれごとが来ています。
『F430のミッションが、5速8500回転で、変な音がするような気がするので、一緒に乗って聞いてくれません?』

このあたりのことが、K君を一番判り易く表現していると思ったので、書いてみました

そんなK君の運転する、512TRの助手席に乗って、首都高速を数周廻ってから、横浜へ向かいました。
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K君は、自分が興味を惹かないモノに対しては、少しも関心を持たないタイプです。
クルマに対しても同じで、古いクルマには興味がないので、この512TRに関しても、なにひとつと言ってよい程、事前知識がない状態での運転です。

そんなK君が、どんな感想を抱くのか、僕にはとても興味がありました。
因みに、M君の512TRは極上物の部類ですが・・・。

『ステアリングが重いんですね!』
僕としては、後期型の512TRだから、ステアリングが軽くなっているのだよ!
348なんって、こんなもんじゃないんだから!と伝いたいところですが、聞き流しました。

『クルマも重たいんですね!』
走り出して直ぐに、これを感じられるK君は、やっぱり凄いな~と思いました。
実際、1.6トン以上あるワケで、重たく感じるのが普通なのですが、大方の人は、パワーがあるので、それを感じなくなるハズです。
速いクルマにしか興味を示さない、K君らしい感想と思うと同時に、速いクルマに、ある程度慣れておくことは、クルマの素性を知るうえでも、少なからず、必要なことなんだなーと再認識しました。

『フロントが浮いて、空冷ポルシェみたいですね!』
996初期型GT3に乗っている、我が身からすれば、おいおい、そんなことはないよ!と言いたいところなのですが、実際、512TRはミッドシップといえども、エンジン搭載位置が、かなり後よりなので、どちらかというと、リアの方が重たいワケです。
K君は、僕のGT3よりも、後ろが重く感じるとも付け加えているのですが、400キロ以上もあるエンジン/ミッションを、リア寄りに載せてあるワケですから、そう感じても不思議ではないのかも知れません。
以前に、中古の空冷911を購入して、僅か1ケ月ほど乗っただけで、(なんの未練もなさそうに) 手放してしまった、K君らしい感想だとも思いました。

『最高速チャレンジしたら、全身分解しちゃいそうですね!』
いつものようにベタ踏みしながら、K君は、ボディー剛性が弱いということを指しているのですが、軟弱気味だったテスタロッサを補強して・・・K君が、こういう話題に、興味を抱くハズがないので、僕は話しませんでした。

K君が、クルマを捉える時は、全てが今を基準にして、現在との比較で判断します。
K君は、自分も一代で築き上げたという自負があるので、歴史のうえに歴史を積み上げていき、その歴史に魅せられるようなタイプではありません。

『ブレーキが甘いんですね!』
これには、チョット注釈をつけて、僕は説明をしました。

先ずは大切なこと、思いっきり踏まないと効きにくいということ。

そして、512TRの後期型だけに、ABSが装着されていて、容量も大きくなって、テスタロッサ時代の16インチから、(512TRで) 18インチに変更されたというような・・・512TRの止まることに関するスペックが、いかに向上しているかという話をしました。
テスタロッサの初期型はセンターロックで・・・・こんな・・・・僕が大好きな、更に古い話には、絶対に興味を示さないタイプなので、これは我慢しました。

K君は、ポルシェのPCCBには興味がないらしく、996ターボには、GT2用の6ポットのキャリパー&ローターに換装しています。
それが、F430では、カーボンセラミックのブレーキシステムを、オプションで装着しているので、そのことについても、チョット聞いてみました。

996ターボでは、サーキット走行するので、ブレーキの踏み加減に比例して、ブレーキ自体の効き具合を調整できる方が、走り易いということでした。
(僕は、これはブレーキを残してという意味に捉えました)

ノーマル996ターボのブレーキと、996GT2用のブレーキの違いも聞いてみたのですが、効き具合は同じだけれど、踏み分けられる段階が数段多い感じ・・・つまり、ターボのブレーキが5段階に使い分けられるとしたら、GT2用のシックスポットだと、7段階や8段階というように、より細かな使い分けが出来るということでした。
(聞きながら、これは前にも聞いたなーと思ったのですが、答えは同じでした)

F430のブレーキを、カーボンセラミックのブレーキシステムのオプションにしたのは、F430では、本格的なサーキット走行はしないつもりで、選択したということでした。

驚いたのは、カーボンセラミックのブレーキシステムは、最初のオプション価格166万円もさることながら、ブレーキパッドが2回目の交換時期を迎えると、ローターを交換しなければイケナイということでした。
その価格が1枚80万円ということなので、パッドとローター1台分交換すると、工賃込みで350万円ほどになると、購入時に説明を受けているということでした。

2回目の交換までに、僕は手放しますよ!とK君は言っていましたが、1回目のパッド交換時の・・・K君のオドメーターの表示が、どのぐらいなのか、とても気になるところでもあります。

撮影するのを忘れてしまいましたが、生産ラインで、組み立てられている、K君のF430そのものの写真が、取扱説明書に同封されていたり、オプションとして購入した、専用のラーゲッジバックには、K君のF430のシートと同じカラーの、ステッチが縫いこまれていたりと (バックのステッチは無償だそうです)、F430の室内に貼られた、オーナープレート (オプション) と同じように、心憎いほどの演出がされています。
(オプションのカーボンが、いたるところに組み込まれている室内)
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これだけ生産台数が増えてしまった、ポルシェの全車種とは、言わないまでも、フラッグシップである、911ターボぐらいには、せめて生産ラインで組み立てられている、そのターボ、そのものの写真のサービスぐらいは、あってもいいように感じるのは、僕だけなのでしょうか・・・。

この日のK君と僕は、お互いの仕事が一段落してから会ったので、横浜に到着したのは、かなり遅くなってからでした。

殆どの店が、閉店してしまった中華街で、K君と僕は、遅い夕食を食べました。
『帰りの運転は、お願いしますね!』
そう言うと、K君はビールを注文しました。

K君は、この日のように、一日の仕事を終えてから、夜のドライブに出かけることは、昼間のストレスが発散出来ると言いました。
『でも、このクルマの運転疲れちゃいました!』
疲れちゃったということは、ストレスを、発散出来なかったということを意味するワケで、あーだ・こーだとは言いながらも、あれだけ楽しそうに、512TRのステアリングを握っていたK君でしたから、こんな言葉が、K君のクチから飛び出てきたことが・・・・・僕には、とても意外で、不思議なことに思えました。

こーして、夕食のひと時を楽しんだ、僕等は、中華街を後にしました。
そして、帰りの運転は、約束通り僕がしてきました。

K君を、512TRの助手席に乗せて、僕もそこそこのペースで走りました。

暫くしてから、僕はあることに気付きました。
そして、K君の・・・。
『でも、このクルマの運転疲れちゃいました!』
という言葉の真相も理解できていくのでした。

そして、僕は、とても大きな思い違いをしていたことにも、同時に気付き始めていくのでした。

またまた続くになりました・・・・。

★追記★
JUNさんへ♪
気になって探してしまいました(AM3時45分発見です・笑)
特大寺 有恒先生の 『ポルシェ911編愛学』 です。
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928での写真ですが、44歳時の出版なんですね。
(内緒ですが・例の特大寺節は・まだ完全には完成されていないようです)
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by seiuchi-porsche9 | 2007-04-04 22:10 | フェラーリ


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