戦闘的に走れ!

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カテゴリ:BMW( 1 )


2006年 02月 08日

1969年!

月末で、混雑している銀行の窓口で順番待ちをしている僕の携帯が鳴った。
こんな所で電話に出てしまうのは・・・・という思いが一瞬僕の頭を過ぎったのだけれど・・・・誘惑に負けてしまった。
電話の相手はM君だった。彼との付き合いは、あるパーティーで出会ったことが始まりだった。
あるパーティーというのはポルシェ関連のもので、僕等二人は招待客だった。
当時のM君の愛車は964RSで、僕が964カレ2だったので93年のことだと記憶している。
こんな具合に、記念すべき年月を思い出すときに必ずクルマと関連させるのは、僕の悪い癖だ。
彼とは14年間も付き合っていることになるワケで、お互いが年をとったのは言うまでもない。

彼の電話での一声は『BMの6の前って何だけ?』

すかさず僕『3.0CSI』

すかさず彼『そうだよね。その3.0CSIがあるのだけれど・・・』

しばし沈黙した僕。
何故って、『あるのだけれど・・・』という言葉は、彼の場合だと二通りの解釈が出来るから・・。

買ってもいい?もしくは、買わない?の二通りなのだけれど、これは全く異なった行為なのだ。

でも彼は流石に付き合いが長い親友だった。僕の数秒間の沈黙の理由を全て読みきっていたのだ。

彼は『現物見に行かない?どっちが買ってもいいじゃない。』

僕が一番望んでいた言葉が何なのかを彼は知っていた。
また負けちゃったと心の中で思いながら

『見たい。出来れば走ってみたい』

そんな単純な約束だけで・・・・・。
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現車を見てチョット違っていたのは、3.0CSIより更に古い2000Cだった。

僕ら前向きだけが取り得なので、4発の2000は維持費かからなそうで最高じゃない・・・・僕らはクルマ馬鹿です。

1969年型(最終型)
BMW2000C
水冷直列4気筒SOHC
フロント縦型搭載
シングルキャブ
100馬力
フロアー3AT
フロント/マクファーソンストラット独立
リア/トレーリングリンクアーム独立
ステアリング/ウォームナット
4530×1675×1360
ホイールベース2550
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1969年型・・・・僕は学生時代に、イヤってほど60年代のクルマに乗った。
免許取得が70年代前半なので、手っ取り早く乗れるクルマは60年代ばかりだった。
学生時代の殆どを都内某所の中古並行専門の怪しいクルマ屋のバイトで過ごしていた僕にとっては、60年代のクルマは手当たり次第に乗れる環境だった。
MGA,MGB,MGBGT,MGC,MGミゼット、トライアンフスッピトファイアー、スタッグ、TR3、TR4、TR5、TR6・・・・・この2つのメーカーを思い出しただけでもこの台数になってしまう。

そして、当時乗れなかったのがフェラーリ、マセ、ランボ、ポルシェ、ベンツ、BMW。
ずば抜けて高価だったからという単純な理由から。

夢がかなって60年代のBMWのステアリングを握る。
このステアリングの細さは懐かしさも忘れて唖然状態・・・。室内全体がイタリアンなのに更に唖然、これBMW?
これは帰宅してから調べて判ったことだけれど、BMW2000Cは、ミケロッティ、ベルトーネ、ジウジアローの影響をモロに受けていたイタリアンデザインがベースだったのです。

フロントバンバーに取り付けられたLUCASの角型のドライビングランプとフォッグランプが僕を泣かせる。
そう、この時代は左右に別々の機能を持った補助ランプを装着するのが、お約束だったのだ。

記録簿付きの23万キロ走行のエンジンが直ぐにかかって、妙にガッカリする僕。
排気ガスが臭くない、インジェクションやシングルキャブは扱いやすいと再認識する。
さあスタートだ。ステアリングが重い、348やテスタの重さとは違う更なる時代を感じさせる重さだ。
ラックアンドピ二オンに慣れてしまっては旧車好きにはなれない。
ウォームナットの重たいステアリングは切り出しても直ぐに反応しない。判り易く書くとステアリングの遊びが極端に多い感覚だ。
試乗インプレションなんって何もない。37年前のクルマを自分が運転していることだけで感無量だ。
0→100㍍も20秒切れないだろう、でも運転するのは最高に楽しい。
ただひとつ交差点を曲がる時は大変だ。パワーステに慣れてしまっているので、切り初めが遅れてしまうのだ。
更に前述したウォームナットの重たいステアリングが遅れを助長させるのだ。
裏道の細い路地は絶対に行けない。行けないのではなく、行きたくないのだ。

ほんの短時間の試乗だったけれど、現代の交通に参加するのには勇気がいるクルマだと感じてしまった。裏を返せば、僕の独自の理論、0→100㍍が10秒強以内の旧車でなければ、僕にとってはストレスを感じてしまって日常の足としては使えないが再認識できたということだ。

そんなワケで僕はクルマも購入も降りたのだけれど、果たして彼はどうすのだろうか?
僕は購入しない方に賭けている。
何故って、親友だから感覚も同じハズだから・・・・・。



追伸 彼は僕のブログの存在を知りません。

by seiuchi-porsche9 | 2006-02-08 00:26 | BMW